日記

20周年に「マビノギ」を改めて紹介してみる

📅 2025-05-01

■はじめに

お久しぶりです。
私がたまに日記に書いている「マビノギ」というオンラインゲームですが、
先月なんと日本でのサービスが20周年になりました。
20年続いているオンラインゲームというのはなかなかありません。
探すと結構あるのですが(ラグナロクオンラインなど)、その一方で数多くのオンラインゲームがサービス終了しています。
しかも、これらのオンラインゲームはサービス終了すると基本的にもう二度と遊べないのです。
20年続いているというのがいかに稀有なことなのか、おわかりいただけたでしょうか。
そんなわけで今あらためてマビノギがどんな風に始まったか、青猫(私)はマビノギのどういうところが面白いと思っているのか、などを紹介したいと思います。

■マビノギとは

マビノギは、韓国のゲーム会社NEXONが開発した基本プレイ無料のMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)です。
日本では2005年に正式サービスがスタートしました。
アニメ調の可愛らしいグラフィックで、ケルト神話を題材にした世界「エリン」での冒険や生活を楽しめます。
戦闘や生産、生活スキルなど、プレイスタイルに応じて様々な楽しみ方が用意されているのも特徴です。
メインクエストであるメインストリームは現在G26まで続いており、壮大なファンタジーを楽しめます。
今回はストーリーの紹介は割愛するので、ぜひ実際に遊んでみてください!

■マビノギサービス開始当時のPCオンラインゲームはこんな雰囲気

私がマビノギのタイトルをはじめて知ったのは、「テックウィン」というPC雑誌の海外ゲーム紹介のコーナーでした。


「テックウィン」とはこんな雑誌です。
PCゲームの紹介、ゲームの制作ツール、フリーソフトの情報などが載ってました。

そのコーナーではまだリリース前の、海外の展示会に出ていたマビノギの紹介が掲載されていました。
様々な海外タイトルの紹介の中で、マビノギが一際目を引いたのは、そのビジュアルです。
3Dゲームで、かつアニメ調のグラフィックなのです。

今は多くの美麗なアニメ調の3DゲームがコンシューマーでもPCでも、スマートフォンでもたくさん出ています。
しかし昔はそこまで多くはありませんでした。
その中でもオンラインゲームは更に限られた選択肢しかなく、高スペックPCを必要とするリアル系3Dゲームや、ドット絵中心の2Dゲームが主流でした。 特に多人数参加型のMMORPGは、グラフィックがリアル調であることが多い印象でした。

ごく個人的な印象なのですが、00年代の始め頃(特に2003年前後)、2Dオンラインゲームの中で「カワイイ」ゲームが出始めて少しそれまでと違う流れになったと感じられました。
その中で代表的なものは「ラグナロクオンライン」と「テイルズウィーバー」でしょうか。
こうした2D中心のオンラインゲームは、PCの要求スペックがそこまで必要なく、これらのタイトルをきっかけにオンラインゲームを始める人が多かったように思います。

マビノギもこれらのタイトルも、韓国で開発されたという共通点があります。
なぜこんなにたくさんのオンラインゲームが韓国から登場したのでしょうか。
私が当時のPC雑誌などで得た知識としては、韓国では(少なくとも当時は)コンシューマーゲームよりもPCゲームがたくさん遊ばれていたようです。
ハンゲームのようなライトなゲームポータルサイトから、大会が開かれて選手がスポーツ選手のように人気になっているゲームまで、様々なPCゲームが人気を得ていたとのことです。

当時日本ではeスポーツという言葉はほとんど知られていませんでしたので、大会の話を読んでも想像がつかない世界だなあと思いました。
とにかく韓国ではPCゲーム開発が盛んで、その流れでオンラインゲームもたくさん作られており、それらが日本でもサービスを始めた時期だったのです。

マビノギの話に戻ると、マビノギはこれらの韓国オンラインゲームの中でも早期に出てきたアニメ調の3Dゲームです。
それまでの韓国のオンラインゲームの場合、3Dゲームというのは「リネージュ2」のような「リアルかつ美麗なグラフィック」を売りにするという印象でしたが、マビノギはアニメ調で「カワイイ」ゲームだったのです。

またマビノギはアニメ調のグラフィックだけでなく、生活系コンテンツも充実しており、ファンタジー世界で生活できることを売りにしているという点も珍しかったです。
私はこうしたアニメ調でカワイイ、生活も楽しめそうなシステムに惹かれてマビノギが日本に来ることを心待ちにしていました。
それが20年前、マビノギサービス開始の少し前のことです。

■20年経っても色褪せないマビノギの魅力

このような経緯で私とマビノギが出会って20年も経っています。
その間ずっと遊んでいたわけではありません。サービス開始時から数年がよく遊んでいた時期で、その後何年も休止期間を挟んだあと、ここ2年は継続的に遊んでいる感じです。
20年も続くと当時は斬新だった要素も当たり前になって、凡庸な感じになってしまうことがあります。
またマビノギ自体のシステムも、サービス開始時とは変わったものが多くあります。

それでも私がマビノギが面白いと思って遊び続けているのは、魅力があるからに他ならないと思います。
そんな20年色褪せないマビノギの魅力をいくつかに絞って紹介したいと思います。

可愛らしいアニメ調のグラフィックと生き生きとしたモーション

最初に上げた通りの、可愛らしいアニメ調のグラフィックです。
今となってはローポリゴンな見た目であるかもしれませんが、アニメ調のCGゲームが少なかった頃から現代まで続いているのはこの見た目があってこそでしょう。
簡素なポリゴンのキャラでも可愛いと感じられたのは、動きの力も大きいと思います。
マビノギの世界では、色々なオブジェクトに対してアクションが行えます。
羊の毛を刈り取ったり、地面からハーブを抜いたりといった採集が代表的です。
他には紙ヒコーキを作って投げるアクションなどもあります。
街の中の看板や街灯を叩くこともできます。

叩く時キャラクターは全身を使い思いっきり叩きます。


例えば1回目はストレート。


2回目は下から突き上げるように。


そして3回目にはアッパー!

という感じに、生き生きとオブジェクトを叩くわけです。
ちなみにこうして叩くと僅かなコインや釘などが手に入る時があります。
ベータテストが始まった頃はこれすら大事な収入源でした。
地面からハーブを抜く時や、羊の毛を刈る時、失敗するとがっかりと肩を落とします。成功するととても喜びます。
このように、マビノギは一つ一つのアクションに対応した動きがしっかりあり、コミカルな雰囲気がアニメ調の3Dに良く合っていると思います。

動きは自分で起こすもの以外にも存在します。
例えば近くにチャットで発言している人がいると、キャラクターがそちらを向くのです。
街の中で誰かが話していて、それに注目する。当たり前の動きですが、それがあることで「この世界で実際にものを見たり聞いたりしているのだ」という実感が得られます。

染色システム

グラフィックの魅力については既に述べたとおりです。そしてマビノギは、装備したアイテムの色も変えられます。
装備の色変えができるシステムは今では多くのゲームに存在しますが、昔は色変えできないばかりではなく、アイテムを装備しても見た目に反映されないゲームも結構ありました。
マビノギでは初期から装備の見た目が反映されるようになっていました。
そして後に、アバターとして、ステータスではなく見た目のために装備できるシステムも追加されました。
またドレスルームが追加され、インベントリのスペース確保に悩まずに衣装を集められるようになりました。
こうした見た目を変えるアイテムは、染色アンプルで色を変える事ができます。
初期のアイテムは一つのアイテムにつき3箇所程度の色が変えられるというものでしたが、近年はもっと多くの染色箇所があるものもあります。


この中からどの色になるかは運が試される。

染色アンプルによる染色は一種のミニゲームになっており、パレットの中から選んだ4〜5色の中からランダムに色が決まります。
狙った色を出すには運とコツが必要になります。
たまに意図しない色になってしまうこともありますが、こっちも案外いいかもと、意外な色の組み合わせに出会える場合もあります。
もちろん運狙いでなく、マイカラーに染めたいという需要も根強いようです。
そうした需要のために、ゲーム内のイベントやストーリークエストの報酬で指定色のアンプルが入手できる場合もあります。

ミレシアン(マビノギのプレイヤー)がアイテムの色にこだわりがあるのは開発陣も分かっているようで、イベントストーリーでそのことに触れられることもあります。
こうした見た目のカスタマイズの細かさ、そして時には運に頼らなければならない部分、などがキャラクターの見た目を追求するプレイヤーを飽きさせない要素となっています。

スキルシステムと転生

ここまで主に見た目に関する事を話しましたが、マビノギはMMORPGです。
プレイヤーが操作するキャラクターがスキルを覚え、成長していきます。
マビノギの成長システムで特徴的なものは加齢と転生のシステムです。

加齢はマビノギ世界の1年(現実の1週間相当)ごとに年齢が上がり、ステータスや外見に変化が現れるというものです。
こうした加齢やレベルアップでAPというポイントを獲得し、スキルを習得、ランクアップしていくことができます。
スキルは戦闘に関するもの、魔法、生産など様々な種類があります。
マビノギはクラスによるスキル習得制限のようなものは基本的には存在しないため、魔法も料理も極めるといったことが可能です。
基本的に無いといったのは、修練才能というスキル分野のカテゴリーを選択する必要があり、この選択がどの分野のスキルを伸ばしやすいかの恩恵に関わっています。ただしこれは簡単に変更可能なものです。
才能の更に上にアルカナ才能があり、ここに来てようやくクラス制のようにその才能でしか習得できないスキルが存在します。
しかしゲームを始めたばかりで意識するものではありません。まずは色々なスキルを試すことができるというわけです。

先ほどマビノギでは加齢やレベルアップでAPを獲得し成長していくと述べました。
それでは育ちきったらAPは入手できなくなるのでしょうか。その心配はありません。
マビノギには転生システムがあるからです。


転生ではレベルリセットや、年齢の変更ができる

このゲームでの転生システムとは、キャラクター作成時、または最後に転生した時から一定時間が経つと行えるようになるキャラクターのリセットです。
転生を行うとキャラクターが1レベルに戻り、年齢も若返ることができます。修練才能の変更もここで行えます。
スキルレベルなどはそのままで、ステータスは下がりますが、スキルを覚えたことで加算されたステータスは残るので、作成したてのキャラクターよりは成長している状態です。
その状態でまた1レベルからレベルアップしていけるので、APを集めやすくなるわけです。
マビノギはこうして転生を繰り返してAPを貯め、色々なスキルを覚えて成長していくというシステムになっています。

マビノギのサービスが開始した頃の転生システムは今より条件の厳しいものでした。
年齢の条件や、最後の転生から数週間待つ必要がありました。さらに、転生には有料のキャラクターカードが必要でした。
しかしその後、6週間で無料転生ができるシステムが追加されるなど徐々に転生できる条件は緩和されました。
現在はキャラクターを作成したてだと1日、通常6日間隔で転生できるようになっています。
このように、転生システムの調整により、ゲームのレベルアップのテンポが調整されてきたとも言えるでしょう。

「クッキークリッカー」などの放置ゲームと呼ばれるジャンルのゲームでは、しばしばゲームの進行をリセットして、1から始めることでより高速に成長していくシステムがあります。マビノギの転生システムはある意味それに似ています。
過去のMMORPGには一つのキャラクターをずっと育てていくと、だんだんレベルアップの間隔が長くなり単調になってしまうものも存在しました。
転生システムはそうしたレベルアップの単調さを解消し、キャラクターの成長を飽きさせないものにしています。

生活、交易、取引

先ほどマビノギは生活コンテンツも充実していると述べました。
アルバイト、生産、釣り、演奏、浪漫農場(ハウジング)、交易など、戦闘以外のコンテンツも沢山存在します。
競売場など販売システムで生産やダンジョンで入手したアイテムが取引され、ゲームの中の経済が回っています。
これがMMORPGの醍醐味だと個人的に思っているところです。
マビノギのアイテムで、特に衣装などは期間限定のランダムボックスから出るというものもあります。
そうしたアイテムを期間中に入手できなくても、競売場で見つけられるかもしれない。
ゲーム内のお金(ゴールド)を貯めるのに、戦闘だけではなく交易などで貯める方法もある。
こうして人によって色々なプレイスタイルで遊ぶことができます。

私は交易が好きで、その中の物々交換というシステムを使ってゴールド稼ぎを行うことが多いです。交易所で生産したアイテムと交易品を交換して取引することで通常の交易よりも多くのゴールドを得られます。
生産をすべて自分で行うと時間がかかり大変ですが、アルバイトの報酬でもらえるアイテムを活用する、他の人が作った生産品を競売場で購入するなど、いろいろな方法があります。
交易だけでも物々交換の他に商団交易、密輸など様々なバリエーションがあり、人によって様々な遊び方がされているのでしょう。

こうした様々な生活コンテンツが追加されてきたマビノギですが、あまりに多くのものが存在するため、全てのコンテンツが現在も有効に使われているかというと、そうでもありません。 残念ながら今のプレイスタイルに合わなくなってしまったコンテンツもありますが、いつか改善して日の目を見てほしいと思っています。

■これからマビノギが続いていくために期待していること

ここまで上げた様々な魅力的な要素により、マビノギは20年続いてきたと言えるでしょう。しかし、今後もマビノギが続いていくかはわかりません。
近年のマビノギもアップデートは続いていますが、プレイ人口の変化は少ないように感じます。
遊ぶ人が減っていないのはいいことですが、いつまでもそうとは限りません。
これからもマビノギが続いていくためにはどうすればいいのでしょうか。
おそらく開発陣もその点については模索中なのだと思われます。
現在、今後のマビノギに関わりそうな2つのプロジェクトが進行しています。

グラフィックのアップデート「マビノギ エタニティプロジェクト」

(画像は「マビノギ エタニティプロジェクト」特設サイト スクリーンショット)

「マビノギ エタニティプロジェクト」は、マビノギをこれまで使われてきたプレイオネエンジンからUnreal Engineへ変更し、グラフィック面のアップデートをするプロジェクトです。
既存の「マビノギらしさ」を損なわずに、現代のアニメ調3Dゲームに通じる美麗なグラフィックへアップデートされることが期待されています。
2023年に発表されてから、現在も進行中のようです。進捗は特設サイトが定期的に更新されており、そこで確認することができます。
完了まで時間がかかりそうですが、エンジンの入れ替えで今後もマビノギが続いていく可能性が高まるため楽しみにしています。

「マビノギ エタニティプロジェクト」特設サイト
https://mabinogi.nexon.co.jp/campaign/eternity/

モバイル展開「マビノギモバイル」

マビノギはWindows PC 専用ゲームです。
しかし現在はスマートフォンが普及し、個人でPCを持たないという人もいます。
PCを所持していない人が増えると、マビノギで遊ぶ人も減ってしまうのではないかという心配があります。
一方、マビノギはモバイル展開として「マビノギモバイル」が韓国でサービス開始しています。
これは既存のマビノギとは別のゲームですが、スマートフォンで遊べるため、今より多くの人にマビノギの存在が届くのではないかと期待しています。
モバイルゲームをきっかけに、PCのマビノギにも興味を持って遊ぶ人も増えるかもしれません。
まだ日本での展開は未定ですが、いつか日本でもマビノギモバイルが遊べるようになって、マビノギの新しいファンが増えてほしいと期待しています。

■最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。
たくさん書きましたが、これでも20年つづいたマビノギの一部を紹介したに過ぎないと思っています。
特にケルト神話をモチーフにしたメインストーリーはそれだけで膨大で、要素の一つとして語るには大掛かりになってしまうので今回は割愛しています。
もしよろしければ、これを機にマビノギを始めたり、昔遊んでいた人が再びマビノギを遊ぶきっかけになってほしいと願っています。